狭山市議会トップ

一般質問要旨

会議名

平成30年 6月 定例会(第2回)

質問日

平成30年6月19日 (一般質問)

議員名

笹本英輔 (創政会)

通告内容

1.総合政策
2.教育

質問要旨

1.総合政策
(1)自治体戦略構想
【1】総務省の自治体戦略2040構想研究会第一次報告が示されたが、狭山市は2040年
付近の市の状況および社会構造の変化をどのように想定しますか。
【2】狭山市役所における職員の年齢別構成は、今後どのような変化を遂げていきま
すか。
【3】農業、商業、工業など市内の産業を支える後継者の見通しはどのような状況で
すか。
【4】近隣市との業務連携、公共施設運営についてどのように考えますか。

2.教育
(1)熱中症対策
【1】小中学校等での熱中症の症状が見られた生徒数の推移は。
【2】小中学校等での熱中症対策、および啓発をどのように行っていますか。

―――質問と答弁の要旨―――

◆変革に対応するために
Q1 2040年頃の市の状況と社会構造の変化をどう想定するのか。
A1 本年3月に公表された国立社会保障・人口問題研究所が推計した2040年の人口は約12万1,000人で、現在の人口約15万2,000人に対して約20%の減少となる。人口に対する年少人口(15歳未満)の割合は11%から9%へ、生産年齢人口(15歳〜64歳)の割合は59%から49%へ、65歳以上の老年者人口の割合は30%から42%となり、この時期に老年者人口のピークを迎えることが予測される。
 人口の減少により都市機能が低下する「都市のスポンジ化」が進み、公共交通機関の減便や公共インフラの老朽化も顕著になることが想定される。生産年齢人口の減少に伴って、労働力不足が深刻化し、ICT技術により補われるとしても、地域経済が縮小し、税収減につながっていくが想定される。

Q2 市内の事業承継の支援をどう実施するのか。
A2 平成31年4月から開始する狭山市ビジネスサポートセンターでは、販路や新分野の開拓、新製品の開発などを支援し、事業者の稼ぐ力を掘り起こすことで、事業者の売り上げ拡大を実現し、円滑な事業承継につながるものと考えている。

Q3 近隣市での業務連携、公共施設運営についてどのように考えるか。
A3 将来に向けて、人口減少等により行財政の運営がますます厳しくなることが想定される中で、行政経営の効率化と健全化を図りながら、必要な行政サービスを安定的に継続して提供していくためには、ご指摘の自治体戦略2040構想研究会の第一次報告の中にあるように、行政のフルセット主義を排し、近隣市が連携して業務を共同で実施することや、公共施設を共同して設置したり運営することも必要性が高くなってくるものと考えている。
 これに関して、業務連携という面では、既にダイアプラン構成市において、ごみ処理の協力に係る協定の締結や、環境マネジメントシステムの共同実施、災害廃棄物処理の協力体制の構築などに取り組むとともに、各種情報システムの共同利用を目的とした研究を行うなど、さまざまな形で業務連携に取り組んでいるところである。
 公共施設の運営の面では、平成29年3月に策定した狭山市公共施設等総合管理計画の中で、今後の公共施設の再編の方針の一つとして、市民会館や博物館については近隣市との共同運営や共同設置を掲げており、近隣市においても同様のことが計画に位置づけられていることから、今後こうした点についても関係市と具体的に検討していく。

Q4 農業、商業、工業など市内の産業を支える後継者の見通しはどのような状況ですか。
A4 市内の産業を支える後継者の見通しの状況について、農業については、2015年の農林業センサスでは、狭山市内の販売農家は524戸であり、そのうち後継者がいる農家は、同居の後継者がいる農家が192戸、同居はしていないが後継者がいる農家が79戸の合計271戸となっており、割合にすると52.7%の農家において後継者がいるという結果であった。
 また、昨年度、市が独自で実施した農業従事者に関するアンケート調査では、後継者の有無についても調査しており、農家1,465戸に調査表を配布し、回答があったのは958戸であり、そのうち後継者がいると回答した農家は302戸であり、割合にすると31.5%の農家において後継者がいるという結果であった。
 商業及び工業については、中小企業庁が平成28年度に実施した企業経営の継続に関するアンケート調査によると、中規模法人では、後継者が決まっている法人の割合は4割を超えており、後継者候補がいる法人も合わせると約7割となっている。また、小規模法人と個人事業主では、後継者が決まっている割合は約5割であり、後継者候補がいるものと合わせると約7割となっている。
 また、平成25年度に市が独自に実施した、市内製造業を対象とした狭山市事業所操業環境状況調査によると、後継者がいると回答した事業所は約4割であった。
 このように、各種の調査の結果によると、各産業とも50%から、これを超える割合で後継者がいるという結果が出ておりますが、今後、各産業を取り巻く状況が、少子高齢化と労働力不足の進行、貿易秩序の変動、さらにはICTのさらなる進歩などにより変化してくる中では、後継者を取り巻く環境にも厳しい状況が生じることも考えられるところであり、こうした中では、後継者の育成と確保という視点からも、産業の振興に取り組んでいく必要があると考える。

Q5 国や県の動向に惑わされることなく、確固たる未来へのビジョンが各自治体に求められる時代が到来したと言えるが、市長は長期的に考えて、このまちがどのような姿であるべき、どのような姿に変貌を遂げるべきだと考えるか。
A5 長期的に考えて、狭山市がどのような姿であるべきかということについては、人口減少時代において求められる姿、それは持続可能な町ではないかと考えている。
 自治体戦略2040構想研究会第一次報告において、自治体行政のあり方について、大胆な変革を構想する必要性、そして、これまで自治体が個々にカスタマイズしてきた業務プロセスやシステムを標準化、共同化する必要性が示されている。
こうした方向性を踏まえながら、未来の狭山市のために私たちが考えるべきなのは、町の持続性をどのように高めていくのか、また、そのために今私たちは何を始めなければならないのかということになろうかと思う。
 市長に就任した以降に策定をした総合計画を初めとする各種の行政計画は、まさにそのような視点をもって策定をしている。
ただし、行政だけで考えられることではなく、議会や市民の皆さんと議論を重ね、そして共同してつくっていかなければならないことでもありますし、さらには、狭山市だけではなく広域で連携をして、みんなで知恵を出し合っていかなければならないのではないかと考えている。
 人口減少や少子高齢化、これは全国的な課題であって、必ずこうした課題については克服する策というものはあると思っている。その種は我々地域社会の中にあるのではないかというふうに考えている。厳しい時代ではあるが、次の世代に狭山市を持続可能な形、そして夢のあるような形で引き継ぐために、全力で力を尽くしていきたいと考えている。

メニュー