平成30年 9月 定例会(第3回)
平成30年9月19日 (一般質問)
加賀谷勉 (公明党)
1.健康社会を築く
1.健康社会を築く
(1)がん対策のさらなる充実強化を望む
【1】「がん対策基本法」の10年間の目標である75歳未満のがん死亡率を20%減らす
との目標に対しての状況はいかがか。
【2】基本計画ではがん検診の受診率の目標値は50%としているが、当市の受診率を
ふまえて、どのように分析されているか。
【3】がんの予防に対する当市の取り組みはどのようになっているか。
【4】小児がん対策の取り組みについてはどのようになっているか。
【5】若い世代のがん患者への心身両面で長期にわたる支援を前進させる契機にすべ
きと考えるが見解はいかがか。
(2)小中学校におけるがん教育の取り組みについて
【1】がんへの理解を深め、命の尊さを学ぶ「がん教育」は重要だと考えるが、当市
の取り組みはどのようになっているか。
(3)がん患者の就労支援(がんとの共生)について
【1】がんの治療と仕事の両立・働き続けられる環境をどう築いていくか今後ますま
す必要だと考えるが見解はいかがか。
―――質問と答弁の要旨―――
◆小中学校におけるがん教育の取り組みは
Q1 がんへの理解を深め、命の尊さを学ぶ「がん教育」は重要だと考えるが、当市の取り組みは。
A1 小・中学校ともに、保健の授業の中でがんについて学習している。小学校では、健康や命の大切さに対する関心を持ち、適切な生活習慣を身につけ、健康に留意した生活を送れる児童の育成を目指している。中学校では、がんを防ぐための方法、がん患者に対する理解や支援方法を学んでいる。自分の健康の保持・増進だけでなく、家族や友人の健康を支えることの重要性に対する理解を深めさせ、地域社会の健康を支えることにも貢献できる人材の育成を目指している。
Q2「がんについて取り扱うものとする」と明記された、新学習指導要領に対応した取り組みは。
A2 中学校の保健体育科の年間指導計画の中にがん教育を位置づけ、がんに対する理解を深められるよう指導していく。
現在においても、教科書のがんに関する記述にのっとり、がん教育を学校保健計画に位置づけて取り組んでいる学校もある。
新学習指導要領への移行期にあたっても、すべての学校が学校保健計画にがん教育を位置づけるよう、各校への働きかけを行っていきたいと考えている。
◆がん対策のさらなる充実強化を望む
Q3 小児がん対策の取り組みはどのようになっているか。
A3 4か月児、1歳6か月児および3歳児の乳幼児健康診査で医師の診察や、保健師による保護者への問診でがんの初期症状などが疑われる場合には専門医への早急な受診を勧めている。
Q4「AYA(アヤ)世代」と呼ばれる患者が抱える就学や就労など、自立に向けた悩みについての相談・支援などトータルケアの体制整備が必要だと考えるが見解は。
A4 保健センターは、AYA世代に限らず、さまざまな世代からのがんに関する相談などに応じている。そうした中、AYA世代のがん患者に対するトータルケアの体制を整備することは、ケアの対象が医療面だけでなく、就学や就労などを含めてさまざまな分野にまで及び、これらに対応できるスタッフを整える必要もあることから、こうした体制を整備するのには難しい面がある。そこで、AYA世代のがん患者から相談などがあった場合で、その内容が市として対応するのが難しいケースについては、関係機関を紹介するなどしていきたいと考えている。
◆がん患者の就労支援/がんとの共生について
Q5 がんの治療と仕事の両立・働き続けられる環境をどう築いていくか今後ますます必要だと考えるが見解は。
A5 がんと共生していくためには、近年のがん治療の目覚ましい進歩の中で、がんの治療を受けながら働くことができる環境を築いていくことは大変重要な課題であると認識している。こうした中で、県では、がん患者に対する雇用条件の配慮や雇用する際の労働規則の改正などに詳しい社会保険労務士を事業者などからの依頼により派遣し、がん患者の雇用促進に関するアドバイスなどを経営者や人事担当者向けに実施していることに加え、がん治療と仕事の両立支援のポイント、がんサポートブックといった啓発用冊子を作成している。また、ハローワーク所沢では、がんによる長期療養者の方を対象とした専用の職業相談窓口を設置しているほか、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに月2回相談員を派遣し、就職や就労などの相談に応じている。